ライトノベル

狼と香辛料

悩みすぎの脳みそには
ライトノベルくらいがちょうど良い。
8〜10まで一気読み。
カップル度がエンディングレベルまで達したホロとロレンスでは
物語を継続することが不可能になったため
てこ入れとして少年参入。
あと、裏切り商人エーヴさんが準レギュラー化

狼と香辛料
1〜6巻までが、行商しながら曖昧なホロの故郷を探す旅
8〜が、行商そっちのけで物語のハッピーエンドを探す旅
となっております。
8,9巻:対立の街。ヴェネツィアっぽい街での大規模商談に巻き込まれるロレンス君。いつものこと。
序盤からの硬貨ナゾナゾが終盤をひっくり返すネタになるのはわかりやすくて良いが、ロレンスを駒として使う商人達がそれに気がつかないのは変かなぁ。
久しぶりに読むせいか、ロレンスの追い込まれっぷりに対して起死回生の一手が根拠薄弱に感じる。
新レギュラーの少年コルは、インド映画で言う歌と踊り=長いいちゃつきシーンを強制カット、という役割を与えられた模様。
それなりに良い具合に機能している。6巻でのうざさに比べたら嘘のよう。
そして、いつの間にか準レギュラーになったエーヴさん。
だんだん、この人も人間じゃなくてホロサイドなんじゃないかと思えてきた。
作者の愛があふれているともいう。
10巻:久しぶりの人外キャラ登場。こんどは海を渡ってスコットランド風。作者もいよいよ海外取材させてもらえる身分になったのだろうか。
羊爺さんは完全に人に擬態出来るようで、人外キャラは大抵ホロより格上なんです。
内容は8巻と同様、大きな利権争いに巻き込まれるロレンス達という構図。
今回は「狼の骨」のため自主的に巻き込まれるというか、巻き込まれる方法を探すところから。
商談を持ちかける商人達
貧乏なくせに頑なな教会
という構図。でも徴税イベントからの教会の隠し球や意固地な理由って、またしても根拠薄い気がする。
話の展開は、とてもRPG的でわかりやすいんだけどなぁ。
というか、ちょいとひねるだけでシナリオに落とせる気がする。
・初期状況:教会と商会の交渉停滞中
・プレイヤーの立場:商会側の人間
・プレイヤーの大目的:教会が保管している可能性のある「狼の骨」の確認
・上記のための障害と小目的:「狼の骨」は教会の財産。状況の交渉が商会側に有利に決着しないと確認不可能。商会側を勝たせることが小目的。しかし、一介の商人に過ぎないプレイヤーは交渉に割り込めない。
>イベント1「紹介状」:前回のプレイ報酬である紹介状で、商会の人間と交渉可能+信頼度の高い情報入手。
>イベント2「協力者」:プレイヤーの一人の繋がり発動。人外(羊男)と知り合う。教会側の秘密情報を入手。
>イベント3「交渉」:商会を動かす交渉の開始。それまでに得た情報+全シナリオでのコネによって相手を説得。だめ押しにプレイヤーのみが抱える秘密=人外は存在する、を提示。
>イベント4「実行」:教会の起死回生の策=金と見せかけた何かを輸送。中身を確認しないと商会側が負けるが、力ずくだとプレイヤーの目的「骨の確認」が不可能になる。→人外さんの協力で解決
>エンディング:骨は偽物。しかし、次の?手がかりが人外さんからもらえる。
状況ごとに、
主人公の目的と、状況がどうなったらOKか、そのために何ができるか
をしつこいくらいに書いてくれる小説なのでプロットに落としやすい。
ただ、商品としての一貫性とかが露骨で、プロットを超えちゃっている何かが無いと思う。
狼と香辛料は、これだ!って思えるシーンや名台詞がないのですよ。
まぁ、そんなものライトノベルに求めるべきではないかもしれず。