あと一日

そう思うと、やる気がなくなるこのやばさ。

町長に危険度を指摘されましたが、総じて怖い先輩であった模様。
つか、扱いにくすぎるよ、年上の後輩って。

まわりに進めたいモノが総じてダメ系というあたり。
とりあえず、今年では

1.文学少女シリーズ
2.米澤穂信(古典部シリーズ、さよなら妖精ボトルネック)
3.灰羽連盟

を推しておこう。


[文学少女シリーズ]

ファミ通文庫だったと思う。
発端はざまてぃ。
推理モノを模した学園ものライトノベル
とてもライトノベル

主人公「井上心葉」は、過去仮面ライターとして中学にして出版デビューを果たすも、その作品が原因で一次不登校になるほどのトラウマを負う。
しかし、高校でなかば強引に入れられた文学部の部長「天野遠子」のために三題噺を書くうちに少しずつ生来の明るさを取り戻していく。
この主人公が学校で起こる不可解な事件に巻き込まれることで話は進む。
また各巻の事件によって、彼自身も過去のトラウマと向き合っていくことになる。

もう一人のメインキャラ「天野遠子」は、自身を文学少女と表すほどの本好き。
どういうわけか、本そのものをページを割いて食べる。そして、味について語る。
しかし、彼女自身は味覚障害を持ち、そもそも食べ物の味を文章の表現でしかしらない。
物語の終盤では犯人を説得する役目を持つ。
その口上は、作品に対する好意的論評でもって、相手の作品に対する価値観を変えさせるというモノ、かなりかっこいいw。
彼女自身は親戚のうちで居候状態であり、彼女自身の過去に関しては作品最大の謎として残されている。

特徴は、各巻でテーマとなる文学作品が決められていること。
具体的には犯人あるいは被害者がその作品を引用するなどして、各章の冒頭で自身の心情を読者に吐露していく。
また、各巻では主人公以外に上記のようにして焦点が当てられるキャラクターがいること、
全主要キャラクターがなんらかの形でトラウマ、或いは心理的障害を持っているw
ただし、ツンデレを除いてww

キャラクター群は、総じて狙いすぎの感は否めないが、
各巻での焦点の当てられたキャラクターが精神的に成長を遂げることが毎回共通している。
また、全体を通して徐々に主人公自身も過去のトラウマを克服しようと成長していく様もあって、作品全体に一貫性がある。

推理モノとして見た場合、ぐだぐだな面も多いと思うけど、主人公自身の精神的成長とトラウマの克服をテーマにした青臭い小説ととれば非常におもしろい。
特に、巻をまたいで張られる伏線、主人公の過去のトラウマや天野遠子について、は否応なく続刊を期待させる。

現在までに5冊。作者によるとあと2冊でるらしい。コンスタントに4ヶ月に1冊出ているので、一年以内に完結と思われる。

[米澤穂信]

蒼穹おすすめ。のまま本人追い越して全部読んだ。
文学部は3冊目からハードカバーというあざとさ。
全作品に基本的には、青臭い青春期っぽい閉塞感に関して語られることが多い。
作者の推理小説への愛があふれている。
すべて推理小説であるが、死者の出る作品はほとんどない。
海外の推理小説のオマージュ的な作品も多いらしいが、推理小説を余り読まない僕にも分かり易い。
というか、推理することの楽しさを教えてくれる推理小説
また、そのくせ主人公の精神的未熟さをえぐるような基本的に後味の悪い終わらせかたをする。
まだ、中途半端している自分には結構ぐさぐさ響く。
そういう意味では、町長とか読むとおもしろいのではないか、とw
Mixiでの評価「青臭い」「懐かしい」という感想群に、リアルに痛みを感じる自分の甘さを思い知りました。

えげつなさは
ボトルネッククドリャフカの順番古典部3)>さよなら妖精古典部他(1,2)
となるだろうか。
ボトルネックが楽しめるか?響くか?は完全に、その人の青臭さによると思われ。
ちなみに、僕はむっちゃ刺さりました。
というか、過去に先輩に対して近いことを考えたときがありました。

作者のインタビューでは、ボトルネックは今ぎりぎり書ける内容みたいなことを言っていた。
青春時代の行き詰まりみたいなモノを膿でも出すかのごとく、書いた作品。
たぶん作者自身もこれから作風が変わっていくんだと思う。

米澤穂信の作品は、今しか響かない作品かもしれないけど、だからこそ今読む価値があるんじゃないかな、と。


[灰羽連盟]

個人的にはなにをいまさらw
いや、だって蒼穹とKyosumが見てないっていうから。
自分の、青臭い部分を刺激してきた作品で外せない一品。
あと、アニメにおける脚本の重要性とか同人誌に対する評価を完全に一変させたアニメーション。

「定規でまっすぐ線を引くみたいに 私は空を落ちていく ただ灰色の世界へ」

という文とともに始まる。
原作は同人誌2冊分(アニメ1話相当)にもかかわらず、
アニメシリーズの原作、設定、デザイン、脚本を同人作家の安倍吉俊(ただし、新人ではなくそれまでにLainのキャラデザイン、ニアアンダーセブンのキャラデザインと漫画をしている)が全部やるという暴挙にでた作品。
そのせいで、世界観や各話の流れにとても一貫性がある。(前半はかなりゆるいが。)

舞台は、「グリ」と呼ばれる壁に囲まれた不思議な町。(作者自身によってベースが村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」であることが明かされている。)
少女は記憶を失い、代わりに「ラッカ」という名前と灰色の小さな羽を得て他の灰羽達と共同生活を始める
という風に始まる。

羽と光輪を持ちながら、空を飛ぶこともできずただ生活する灰羽という存在。
町を囲う、越えることの出来ない壁と壁を越える鳥(カラス)。
世界観だけを見るのなら、完全に村上春樹の「世界の終わり」だが、話と表現の方向性は違う。
視聴者は、ラッカというグリへの新参者を通して世界を知っていく。
そして、夏が終わる頃から、話はラッカのアイデンティティに関わるものへ移っていく。

たぶん、かなり真っ向から登場人物にアイデンティティとか青春時期の不安感みたいなことを問うていく作品。
青臭いといえば青臭いけど、後半から最後にかけての怒濤の展開は素直に感動させられる。

個人的には、真ん中の第6話と最終話にすごい思い入れがある。
放送時、フジテレビの陰謀により2話連続になったことを逆手に取り、本編の間にCパートを入れたり、
枠に収まらなくて、EDが作品自体に被ってきたり(上記の話では特にうまいかぶりかたで、DVD版で修正されたのが少し残念なくらい)
絵もそんなには崩れないし、魔法も剣もでてこない。
派手な演出がないのに、素直にファンタジーと言いたくなる作品です。
でも、お願いだから脚本集を商業ベースで出してくださいw
なぜ、同人誌wwそういえば、よく町長をぱしらせた気がするw


以上。
まぁ、如何に悩みまくっているかわかるセレクションw
これらの作品が「青臭い」と笑い飛ばせるようになりたいような
でも、いつまでもこの作品で感動したいような。そんな作品群の紹介でした。
仕事wしなきゃww


復活の兆しのないやる気
ニュースを見つけたので一つ
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20071220_yamamiyuki_gfantasy/

皆様は「夜麻みゆき」という漫画家をご存じだろうか。
ガンガン系の作家で、レヴァリアースや刻の大地といった作品を生みながら、道半ばで5年前創作活動を休止していた。
ほんわか系のファンタジーでありながら、しっかりした世界観、真っ向勝負で「善」と「悪」はあるのか?みたいなことをテーマしてぐいぐい僕を惹きつけた。
なにより、レヴァリアースのラストがとても綺麗で、好きになった作家だった。
オッツキイムというファンタジー世界は結果として中途半端なまま終わってしまったけど、5年間も連載を持たなかった作家が帰ってきたことをうれしいと思う。